北海道・知床半島の旅
2005年9月2日〜6日
◆◆ Part 5 ◆◆
Part 1 Part 2 Part 3 Part 4 Part 5
■9月6日
宿 -> 根北峠 -> 斜里岳林道 -> 斜里岳登山口(清岳荘) -> 濤沸湖 -> 網走刑務所 ->
網走監獄 -> 女満別空港 15:40 -> 羽田空港 17:30
朝、4時に目が覚めてしまった。外はまだ暗い。そうだ!日の出を見に行こうと急に思い立つ。友人を起こさないように、静かに宿を出て、一人知床峠まで車を走らせた。日の出はたぶん16:45分位だろうと推測できたので、間に合うか微妙な時間だった。途中、知床縦断道路で鹿が飛び出してきて、危うく跳ねるところだった。焦って事故でも起こしたら、すべてが台無しだ・・・と思い直して、その後はゆっくり走った。

朝焼けの羅臼岳
夜明け前の知床峠と羅臼岳
国後島から日が昇る
峠に着くと、まだ太陽は昇っていなかった。でも、あと5分位で日の出だろう。数人の人達が太陽が昇る方向にカメラを構えていた。日の出までのわずかな時間、朝靄に煙る羅臼岳を撮影した。そして、遂に日の出。根室海峡の方角より、オレンジ色の光が昇ってきた。結構幻想的で、年甲斐もなく一人で感動していた。5時10分程前だったと思う。

知床縦断道路
その後、ウトロに戻ったが、まだ6時前で、このまま宿に帰ると友人を起こしてしまうので、ウトロ港にあるオロンコ岩に登ることに決めた。オロンコ岩とはウトロ港にデンとある大きな岩山だ。息を切らせながら170段ほどの階段を駆け上がった。

オロンコ岩の頂の道標 オロンコ岩
オロンコ岩からのウトロの町並み
オロンコ岩から見た波止場
頂上には道標と三角点があった。綺麗な花も咲いていたが、人間の腰位の高さまで雑草が生い茂っており、ちょっと幻滅した。ここからの景色はなかなか良かった。

オロンコ岩頂上の花
宿で前日買っておいた朝ご飯を食べ、8時半にチェックアウトし、レンタカーにて斜里岳の登山口である清岳荘に向かう。友人が1ピッチで良いから登りたいということだった。清岳荘は3年前に行ったことがあるので、行く道は知っていたが、面倒なのでカーナビをセットした。そして、何の疑問も抱かずに、先を急いだ。途中、標津のほうに向かっているので、考えていた道とは異なるが、カーナビを信じ込んでそのまま運転していた。

しばらくして、カーナビが目的地に到着したことを知らせていた。でも、そこは清岳荘なんかではなく、根北峠という聞いたこともない峠だった。調べると目的地の設定はあっているが、カーナビが何故か途中でルート検索を放棄していたのだ。そして、エラーのメッセージも何も表示されていなかったのだ。参ったな〜。ここから一般道経由で清岳荘に行くには相当な時間がかかってしまう。そこで僕らは、峠の脇に表示されていた「斜里岳林道」とやらを通って清岳荘まで行くことにした。
斜里岳林道
林道の途中
地図で確認する限りでは、丁度、斜里岳の中腹をぐるっと半周している林道だ。入口は林道にしてはまずまずの状態だったのだが、奥に入るにつれ、道路の両側はクマザサがせり出し、通過するのをためらうほどの状態になってきた。まさにヒグマに出会っても不思議でない雰囲気なのだ。それでも意を決して1時間ほど林道を走った結果、ようやく斜里町側の清岳荘へ通じる普通の道に出ることができた。途中、シカには出会ったが、幸か不幸かヒグマに出会うことはなかった。それにしても、凄いドライブをしてしまったもんだ。普通の乗用車を借りていたら、まず入ることはない道だし、一人だったら絶対に踏み入れない道だ。

林道の途中
現在の清岳荘
時間をロスしたことで斜里岳の登山道を歩くことも諦めざるを得ず、せめて清岳荘だけでも見ていくこととする。でも、目の前に現れたのは、僕の知っている清岳荘ではなく、鉄筋コンクリート3階建ての異様な建物だった。何だ〜、これ〜? 近づくと清岳荘と書いてある。建物の中に入って管理人とおぼしき人に聞くと、以前の山荘は取り壊し、今年新たにオープンしたとのこと。宿泊設備があるとのことだが、食事や風呂は無いという。中にあるトイレは有料の表示がされていた。外の駐車場には、「ここで車中泊する場合は有料です」と書かれていた。風呂も食事もない所に、はたしてどういう人が泊まるのだろう。まして、ここからは車で30分程下れば、斜里町市街であり、そこにはホテルや民宿はいくらでもある。前泊しないと登れない山でも無いし、汗をかいて下山した人が風呂も入らずにここに泊まるだろうか。どう見てもこの場所に似つかわしくないこの施設の存在に、僕の斜里岳への想いは急速に冷めていった。

3年前の清岳荘
ちなみに、この山荘は個人の所有物ではなく、地元斜里町が管理運営している筈だ。いわゆる公共施設だ。斜里岳は日本100名山の一つである。清岳荘から山頂に至る沢の登山ルートは、沢の水しぶきを浴びながら登る面白いルートで、個人的にも好きなコースだ。(3年前の山行記はこちら

清岳荘は過去一度、全焼している筈だ。その後、応急的に建てたのが3年前に見た山荘だ。その後、今日のこの立派な建物に変貌したわけだが、お金に任せて立派なものをつくれば良いというものではない。また、立派な山荘があるにも関わらず、そこに至る未舗装の道は、ひどいデコボコ道であった。3年前はこんなにひどく無かったと記憶している。推測だが、山荘建造の為にキャタピラーを付けたブルドーザーがこの林道を走ったのではないかと思う。道路にはそれをうかがわせる痕跡が至るところにあり、これが原因で異様な凹凸となっていた。このアンバランスさも大変気になったところである。

個人的には素朴な斜里岳のままであってほしかった。はなはだ残念でならない。こんな想いをするなら苦労して来るんじゃなかった・・・。そう後悔しながら、何も語ることのない斜里岳を背に、僕らは網走に向けて車を走らせた。
濤沸(とうふつ)湖
網走刑務所
途中、濤沸湖に立ち寄って景色をカメラにおさめる。ほどなくして、網走刑務所に到着した。ここの施設には実際に受刑者が服役しているので中には入れない。有名になった赤レンガの門の前で記念撮影をし、近くにある網走監獄に向かった。これが最後の訪問地だ。

門の内部 門の前にて
網走監獄はじっくりと見てみたかったが、時間も限られていたので、30分ほどで切り上げた。女満別空港に行く途中、国道沿いの「松尾のジンギスカン」でたらふくジンギスカンを平らげ、一路、女満別空港に向かった。

終わり・・・
(つたない記録ですが、我慢して読んで頂いた方、ありがとうございました。)
網走監獄
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