|
屋久島空港より望む宮之浦岳の山脈
(9月8日午前撮影)
皮肉にも帰る日だけ快晴だった・・・ |
|
|
島へは友人を含め計5名で入った。ここへ来た主な目的は、宮之浦岳登山と縄文杉登山である。平均年齢約50才の中年登山隊である。
前日、麓は晴れていたのだが、宮之浦岳方面を眺めた限りでは、山は深く霧に包まれ、その姿を拝むことはできなかった。おそらく遠く台湾付近にいる台風18号の影響が出始めているのだろう。
屋久島は、「1ヶ月に40日雨が降る」と形容される程、雨が多い地域である。運が良ければ晴れ、そんな心づもりで雨対策だけは怠らずに島に入った。
投宿した安房の民宿経由で、当日の朝食と昼食の弁当の手配をしておいた。朝、登山口に行く途中にある「お弁当屋さん」で受け取る手はずである。(すべて予約制なので当日買う事はできません。)
5時に起床、皆レンタカーに乗車し、5時41分に宿を出発する。まだ、日の出前なので辺りは薄暗い。「お弁当屋さん」により、5人分の朝食と昼食を受け取り、淀川登山口に向け車を走らせる。車のフロントガラスに時折雨があたる。予期していた通り、良い天候ではない。
途中、安房林道沿いに紀元杉がある。せっかくなので立ち寄る。ウム〜、確かに大きい。感心しながら記念撮影をする。帰宅後、ガイドブックを眺めていて初めて知ったが、この杉には約20種類もの異なる植物が着生しているそうだ。あ〜、見ておけば良かった〜、と今更後悔しても後の祭りである。この時から雨がポツポツと降ってくる。
出発して丁度1時間ほどで淀川登山口に到着した。登山口には既に30〜40人の登山者が出発の準備をしていた。ここの駐車場は狭く、最後の駐車スペースに車を留める。早速、出発の準備に取りかかる。時折、大粒の雨が落ちてくる。雨合羽装着の完全装備での出発となる。
このところ山から遠ざかっていた自分にとっては、久しぶりの登山である。運動不足がたたってか、足取りも少々重く感じながら、しょっぱなの汗をかく。原生林の中を進む登山道は薄暗く、時折、登山道に生えだした木の根が歩くリズムを乱す。1ピッチ30分ほどで淀川小屋に到着する。
ここで朝食をとりながら小休止とする。淀川小屋は無人だが、2階建て構造で中は広い。また、小屋の脇には淀川の源流が流れており、透き通った水を蓄えている。上高地の大正池を連想させる風景だ。
小屋からはひたすら原生林に覆われた薄暗い登山道を登り、2ピッチ1時間20分ほどで小花之江河に到着する。淀川登山口から2時間20分の所要であった。運動不足のハンディを持った中年登山隊にしては、まずまずのペースである。
小花之江河は泥炭層から成った高層湿原である。うっそうとした薄暗い原生林の中を進んできただけに、急に現れるこの湿原を目にすると感動もひとしおである。白骨樹を含むこの光景はなかなかの絶景であり、日本の名庭を彷彿させる景勝地である。この光景に、誰ともいわず自然と足は止まり、気が付けば記念撮影をしていた。
ここより一つの尾根を越え10分ほど進むと、花之江河に到着する。小花之江河同様の湿原で、こちらのほうが少し広いだろうか。湿原の脇から湧き出すミネラル一杯の水を補給し、先へと進む。
花之江河から辺りは開ける。晴れていれば稜線漫歩といきたいところだが、あいにくの雨とガスで周りの景色は拝めない。台風の影響だろうか、稜線に出ると次第に風も強くなり、雨合羽を着ていないと寒い位だ。
雨に浸食された岩盤がむき出しになった登山道を進む。この頃より、帽子が吹き飛ばされそうな位の猛烈な風と雨が吹き始める。めがねをかけている僕にとっては、視界をふさがれ、やっかいな状況である。
|
|
|
安房林道沿いにそびえる紀元杉(推定樹齢3000年)
樹高19.5m, 胸高周囲8.1m |
|
|
|
淀川登山口(標高1380m)
朝から雨のため、完全武装での出発となる |
|
|
|
淀川小屋 |
|
|
|
淀川小屋脇を流れる淀川(源流域)
透き通った水を蓄え、なかなか素晴らしい景色だ |
|
|
|
小花之江河への登路
原生林が生い茂っており、辺りは薄暗い |
|
|
|
小花之江河
晴れたらどんなにか素晴らしい光景だろう・・・ |
|
|
|
花之江河(標高1600m) |
|
|
|
その2へ |
|