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花之江河(標高1600m) |
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花之江河を出てしばらく歩いていると、太股の筋肉が痛み出してきた。原因は運動不足の状態での急激な運動によるものであることは明らかで、このまま登行を続けていると、筋肉の痙攣を引き起こすことが心配された。何となくそんな感触であった。
ここで一人ギブアップするのもみっともないしな〜などと一人思いながら、両手を膝にあてがいながら、なるべく足に負担をかけないように、だましだまし登った。
登る気力は失せてはいないのだが、筋肉痙攣を起こしてしまったら、その時点で登るのは諦めざるを得ないだろう。
頂上はまだかまだかと思いながら、前を行く友人に遅れまいとひたすらついていく。ギブアップ寸前の状態になったが、トップを行く友人の「頂上だ〜」の声。助かった〜。こうして、ヘロヘロになりながらも、かろうじて宮之浦岳山頂にたどり着いたのだった。
花之江河より2時間20分、淀川登山口から約5時間の所要であった。頂上は雨混じりの強風で、周りの景色は全く見えなかった。頂上でゆっくりと昼食でも・・などと目論んでいたのだが、この天候ではそんな考えは一瞬にして吹き飛んでいた。登頂の証拠写真のみ撮り、5分も留まらずに下山開始する。
頂上ではまったく景色を拝めなかったので、帰宅後、山岳画像シミュレーションソフトウェア(カシミール3D)を使って、仮想の展望風景をつくってみた。こんな景色が見えたら、さぞや気持ちが良かっただろうな〜。
■シミュレーション展望画像はこちら
30分ほど下った比較的風のあたらない登山道で昼食を取る。晴れていたら、景色を楽しみながら、のんびりとくつろげるのにな〜・、などと一人つぶやきながら、雨に打たれた何とも美味しくなさそうなおにぎりを口に運ぶ。
こんな天候なので、昼食もそこそこに、あとはひたすら下山する。途中、ふと登山道脇のコケを眺めると、それはモウセンゴケであった。モウセンゴケの時期は既に過ぎていると理解していただけに、見つけた時は一人ひどく感激してしまった。雨の中ではあったが、早速写真におさめる。
途中、花之江河、淀川小屋の2カ所で小休止をとり、頂上を出て丁度5時間で淀川登山口に降り立った。出発して10時間の行程であった。
それにしても、結構タフなルートだった。でも、自分の体力不足がそう感じさせたのかもしれない。
淀川登山口の標高は1360m、宮之浦岳の標高は1936mである。その標高差は576m、片道8kmの道のりである。大した高度差ではないのだが、往復10時間程の所要なので、健脚向けの登山コースといえる。
以下は、我々「中年登山隊」の所要時間と、昭文社発行の屋久島宮之浦岳の地図に示されているコースタイムとの比較である。中年登山隊にしてはまずまずの所要時間であったと思う。
登路 |
昭文社地図
標準時間
(休憩含まず) |
中年登山隊の
所要時間
(休憩含む) |
登り |
4時間55分 |
4時間58分 |
下り |
4時間20分 |
5時間05分 |
計 |
9時間35分 |
10時間03分 |
その後、宿に帰り、飲んだビールのなんと美味しいこと。(爆) 酔いも手伝ってか、21時頃には早くもバタンキュー状態でした。(爆)
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