平成の気まぐれ山行記 2005年9月11日
北海道・知床・羅臼岳(1661m)
2005年9月3日
その1
 2004年9月に屋久島に行った後、参加メンバーが集まって「さて来年は何処に行きましょうか?」と相談した際、白神山地と知床半島の2つが候補に上がった。その後、幾度かの打ち合わせの結果、今回の行き先は知床半島に決定した。登る山は羅臼岳、知床硫黄山、斜里岳の3つが候補に上がったが、日程的な問題もあり、2つに絞った結果、羅臼岳と知床硫黄山に登ることで決定した。個人的には、2002年8月に一人旅で北海道を一周した際、知床半島も訪れていた。この際、羅臼岳に登ろうと考えていたが、ヒグマの生息密度が非常に高いエリアとの情報に恐れをなし、羅臼岳に登ることは諦めて、少し内陸側に位置している斜里岳に登った経緯があった。従って、羅臼岳と知床硫黄山共に、私にとっては生まれて初めて登る山々であった。
コースタイム
岩尾別温泉(木下小屋)07:00〜オホーツク展望07:40〜弥三吉水08:30〜銀冷水09:30〜大沢入口通過09:48〜羅臼平10:25〜岩清水11:00〜羅臼岳11:35/12:00〜岩清水12:35〜羅臼平13:00〜銀冷水13:40〜弥三吉水14:30〜岩尾別温泉(木下小屋)15:40
所要時間:8時間40分(登り4時間40分、下り3時間40分)
■羅臼岳ルート断面図
岩尾別温泉・木下小屋(羅臼岳登山口)
標高約230m
 当初の計画では6名で来る予定であったが、仕事の関係などで3名が直前にキャンセル、最終的に3名での知床入りとなった。

 投宿しているウトロの貸別荘を6時15分に出発し、レンタカーにて岩尾別温泉まで入る。6時40分に岩尾別温泉に到着する。我々が到着した時は、既に道路脇に20台ほどの車が停められていた。
登山道入口
 ホテル地の涯には大きな駐車場があるが、登山者はここには駐車することができないので、結局は路上駐車となる。木下小屋には数台の駐車スペースがあるが、余程早く来ないことには、まずここには駐車できないと思ったほうが良い。

 木下小屋にて登山届けを出す。ここの登山届けを見ると、既に110名ほどの登山者が入山していた。一番早い登山者は午前5時に入山していた。
ヒグマ出没注意の案内板
 木下小屋の外に設置してある温度計をみると、17℃を示していた。登山には丁度良い位の気温だ。

 7時丁度に出発する。登り始めて直ぐにヒグマ出没注意の看板が目に入る。看板にあるように、登山道上にアリの巣がある為、それを食べる為に頻繁に出没するようだ。

 今回は音色の違うクマよけの鈴を2ヶ持参してきたので、ザックにくくりつけて歩くことにした。ただただ出会わないことを念じるばかりである。
弥三吉水 標高約780m
 以前、北海道に来た時に、クマ牧場でヒグマを目の当たりにしたことがあるが、とにかく顔がバカでかく、腕の太さは成人男性の太股より太い。二足で立てば2m以上にもなるあんなのに間近で出会ったら、きっと腰が抜けてしまうだろうし、ひとたまりもないだろう。

 登山口からうっそうとした原生林の中を1時間半あるいて、弥三吉水に到着する。途中、クマの糞と思われるものが登山道上にあったので、少し薄気味悪かった。
極楽平付近より羅臼岳を望む
 弥三吉水の水は、汗だくになった体には、冷たくて凄く美味しく感じた。500mlのペットボトル2本のミネラル水を持ってきたが、中味をすべて捨てて、弥三吉水の水に入れ換えた。

 弥三吉水からは極楽平のなだらかな登りとなる。時折、木の間から羅臼岳が見える。背後を振り返ると、オホーツク海のコバルトブルーが何とも新鮮な感じで目に飛び込んでくる。
極楽平付近よりオホーツク海を望む
 この辺りからは眼下に知床五湖も見て取れる。
銀冷水 標高約1040m
 弥三吉水から仙人坂を経由して約1時間で銀冷水に到着する。気温はおそらく20℃以下であろうが、登りの為、既に汗だく状態だった。僕は登山口から半袖のポロシャツ1枚しか着ていないが、それでも暑かった。

 ここまでは25分歩いて5分休憩するというピッチで快調に登ってきた。他のメンバーも調子は良さそうだ。
羅臼平への大沢の登り
 6月に尾瀬の燧ヶ岳に登った際、頂上直下でバテる寸前になってしまい、情けない思いをしたので、今回来るにあたっては、体重を3kg程しぼり、健康器具で足腰を少し鍛えてきた。

 銀冷水からは大沢という岩混じりの枯沢を登る。この辺りは高山植物が群生しており、疲れを癒してくれる。時折吹いてくる風が冷たくて心地よい。銀冷水から50分で羅臼平に到着した。
羅臼平 標高約1340m
 羅臼平には20人ほどの登山者が休憩していた。既に多くの人は登り終えている様子だった。

 ここからは羅臼岳が目の前にそびえているが、時折、山頂付近はガスに覆われ、見え隠れしていた。
羅臼平から羅臼岳を望む
 眼下の下界は晴れているようだったが、この辺りは薄曇りという天気で、登るには都合の良い天候である。頂上に着いた途端にパッと晴れてくれれば最高なのだが、なかなかそうはいかないだろう。
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