2002年1月12日 作成
南アルプス 塩見岳 (正月合宿)
その1
1978(S53)年12月28日〜1979年1月2日
12月28日 新宿発 23:20 (夜行列車)
12月29日 曇りのち雪 辰野 04:29〜伊那大島 06:18〜(バス)〜鹿塩 08:05〜(7P)〜尾根取付 14:45 (幕営、消灯 19:30、外気温-1℃)
12月30日 晴れ 出発 07:10〜(7P)〜三伏峠 14:00 (BC設営、消灯 20:00、外気温-14℃)
12月31日 晴れ BC発 06:35〜本谷山 07:45〜(5P)〜塩見岳(3046m)11:10/12:30〜(1P)〜本谷山〜(1P)〜BC着 15:50 (消灯 21:30、外気温-16℃)
01月01日 晴れ BC発 08:15〜(2P)〜塩川小屋 10:45〜(2P)〜鹿塩館 13:20 (泊)
01月02日 晴れ 鹿塩館 08:00〜(バス)〜伊那大島 09:57〜辰野 12:08〜八王子 14:50 (解散)
メンバー: 渡辺(CL)、山下(SL)、渡辺(和)、山田、永田、田代、山口、半田
会費(交通費/食料費): \12,800/一人 ※山行計画書&報告書有り
塩川小屋付近(最後尾が私)
はじめに
 5年前の1974年1月に、塩見岳で正月合宿を行っていたが、この時はアタックメンバー3名のみが登頂し、残念ながら僕は、頂上直下まで行ったもののピークを踏むことができず悔しい思いをした。だから、厳冬期の塩見岳は、是が非でも一度は踏んでおきたかった。

 この時期、我が山岳会には女性2名を含む冬山1年生が3名在籍していたので、正月合宿をターゲットに、数々のトレーニングを重ねていた。

 実は、この正月合宿を計画した時は、すでに僕の海外赴任はほぼ決まっていた。だから、僕にとってはこの山行が最後の正月合宿になるだろうと思っていた。当時、25才と若輩者ながら、会のリーダを任せられている立場で、個人的な都合とはいえ、近々に会を去らなければならないので、日増しに後ろ髪を引かれる思いが募っていった。

 こんな背景もあって、この塩見岳合宿では、何としてもメンバー全員を山頂に立たせてやりたいという、少し情緒的な感情が働いていた。しかし、自分一人の力など、たかが知れているし、過信もしていなかった。少なくとも皆の命を預かるリーダーとして、万全の体制のもとで挑みたかった。まして、我が会では、過去、この塩見岳で尊い命を失っていたので、少し神経質にならざるを得なかった。

 そこで、僕は一人の友人にこの山行への同行を打診した。彼は僕とは同期生で我が会に入会した同僚だ。既に我が山岳会は去っていたものの、別の先鋭山岳会で活躍していた。そして、幸いにも塩見岳への同行を快諾してくれたのだった。持つべきものは友とは良く言ったもので、彼が同行してくれることで、ほんとうに心強い限りであった。

 すこし前置きが長くなってしまったが、女性2名を含む総勢8名にて入山することとなった。5年前には荷揚げを行って本山行に挑んだが、総合的に考えて、今回は荷揚げは不要と判断した。だから、背負う荷物は5年前よりは多かったかもしれない。

12月29日
 新宿発の夜行に乗り、途中、辰野駅で飯田線に乗り換え、早朝の6時頃に伊那大島駅に降り立つ。ここからバスで鹿塩まで入り、朝食を済ませて出発した。うんざりする林道をひたすら歩き、途中、塩川小屋付近で昼食を取る。この頃より雪が降り始め、14時45分に三伏峠への尾根取付点に到着する。今日の行動はここまでとし、ひどい降雪の中で幕営する。

12月30日
 今日は三伏峠までの急登であり、肉体的には一番つらい日だ。朝からアイゼンを装着し出発する。しばらくすると、南沢をはさんで向かい合う尾根の峰々が朝日に映える姿を望むことができる。左右の尾根を見下ろせる所で急登も終わり、左方向にトラバースし、14時ちょうどに三伏峠に到着する。5年前に来た時は、ここから三伏沢を下ったところにある三伏小屋にBCを設営したが、ここから稜線へ出るのに随分と苦労した経験があったので、今回は三伏峠小屋近くにBCを設置する。2張りのテントを張り終え、早々夕食の準備に取りかかる。就寝時のこの日の外気温は−14℃であった。

12月31日
 予定では今日は塩見岳へのアタック日だ。起床して外を見ると快晴の兆しだった。6時35分にBCを出発する。途中、本谷山の登り付近で朝日を拝む。その後、樹林帯の中を進み、森林限界を越えたところで塩見小屋に到着する。ここの標高は2766mである。ここから3046mの塩見岳山頂までは岩混じりの稜線である。

 各自、アイゼンバンドを締め直して出発する。快晴だが風が強い。ピーク直下のコルにて小休止し、皆にヘルメットを装着させ再出発する。岩場をトラバースし、11時10分、ついに全員塩見岳山頂に立つ。この日の頂上は登頂者で満員だった。写真撮影後、僕らは北俣尾根の分岐点まで下り、ここで昼食をとる。
三伏峠へ向けて急登を登る
三伏峠にてBC設営
塩見岳目指して
途中、天狗岩付近にて小休止
塩見岳へ向けて最後の岩場を登る
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塩見岳ってどこにあるの?
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