天空の鉱山町・小串硫黄鉱山
アチャとダンベの国境(毛無峠)
その3
Visited : 2007/10/28
Update : 2007/10/29
変電所跡
 御地蔵堂のすぐ脇に廃墟が残っている。近づいてみると変電所跡だった。既に屋根は抜け落ちており、内部も荒れ放題だった。
 所々、釘がむき出しになっているので、踏み抜かないように注意して内部に入ってみた。鉱山と人々の暮らしに必要なすべての電気は、ここで変電され供給していたのだろう。
変電所内部
変電所内部(電力計器類)
 壁には電力計器類と開閉器が当時の佇まいのまま残っていた。
 変電所の見学を終え、一旦、車を停めた広場まで戻る。ザックにn飲料水とおにぎりを入れ、広場を歩きながら下の方へと足を伸ばす。
広場
坑道の入口が残っている
峠を背にして左側の斜面を見ると、上部の岸壁に坑道の入口らしきものが残っている。見たところ、周りはガレ場で傾斜もきついので、近づくのは諦めて、ズームで撮影するだけにとどめた。
 途中の広場にサッカーゴールが残っていた。かつてこの地には小串小学校と小串中学校があった。小学校の卒業生は778名、中学校の卒業生は544名と記録されている。

 閉ざされたこの地に暮らしていた子供達は何をして遊んでいたのだろう・・・。おそらく、サッカーや野球などをして遊んでいたのであろう。
サッカーゴール
鉱山中央付近より毛無峠を見上げる私
 途中、毛無峠を振り返ってみた。ここで暮らしていた人々も、毎日、この景色を眺めながら生活していた筈だ。そんな想いを抱きながら、しばし、峠を眺めていた。
 ブルーのトラックが放置されている。型式から推測して、当時、活躍していたトラックだろう。ハンドルのところに"ISUZU"と書かれていた。
放置されたトラックと破風岳
貯水タンク?
 鉱山跡を更に下へと向かうと、貯水タンクのようなコンクリート製の建造物が2つ残っていた。正確な用途は判らないが、設置されている場所から推測すると、おそらく硫黄精錬の際の水源として使われていたものだろうか・・・。
 足場が良くなかったので、このタンクの中を覗くのは諦め、眺めるだけにした。
貯水タンク?
上部に坑道入口らしきモノが残っている
 左手の山側には坑道の入口らしきものが残っている。崖をよじ登っていかないとたどり着けない。事故でも起こすと大変なので、こちらも下から眺めるだけにした。

 この頃になると、空は雲一つ無い快晴になっていた。青が目にまぶしい程だ。風も無く次第に暑くなってきたので、着ていたヤッケを脱いだ。
 精錬の作業所を過ぎると、いくつものボタ山があった。もの凄い量だ。硫黄精錬後の粉鉱堆積場だ。年月が経っているので、だいぶ固まってはいるが、それでも所々は柔らかく、この上を歩くのは極めて危険だ。
ボタ山
鉱山最下部付近
 ボタ山の麓を回り込むようにして下に向かうと平地に出た。水が小川となって流れている。この辺りが鉱山の最下部なのだろう。

 それにしてもだいぶ歩いた。疲れたので、ここで少し休憩することにした。
その4
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