屋久島の旅(道中記)
2004年9月3日〜8日
その3
白谷雲水峡
新しい命が脈々と息づいている
■9月6日(島内滞在4日目)
 白谷雲水峡をじっくり巡れば、屋久島の雰囲気は十分堪能できるだろう。

 道路脇にふと目をやると、そこには新しい森の命が脈々と息づいていた。
白谷雲水峡
スクスクと育つ屋久杉
 我々は、前日の夜に味わった焼き肉の味が忘れられず(爆)、昼食にまたもや「れんが屋」を訪れる。腹ごしらえも終え、その後空港に向かう。

 そして、心配していた通り、今日のフライトは全便欠航になったことを知る。ガガ〜ン。もちろん、船もすべて欠航である。こうなってはジタバタしても仕方ない。帰る手段はすべて絶たれたのだ。

 さて、こうなっては開き直るしかない。島の食堂や店は迫り来る台風に備え、軒並み閉店状態だった。スーパーマーケットに行ってみたが、カップ麺売り場には商品が一つも無くなっていた。今日の夕食は宿でご厄介になるしかない。予約のない延泊であったが、宿のご主人は快諾してくれた。
台風18号の影響で大波が打ち付ける安房港
■9月7日(島内滞在5日目)
 思わぬ台風の影響で、予定にはない島滞在5日目。前日の夜、皆で相談し、帰りのチケットを確保すべく、グループの有志が空港で並ぶことにした。メンバー中の若手一人と僕の2名は、眠い目をこすりながら、朝の4時に起きて、暴風雨が吹き荒れる中、レンタカーを運転し空港に向かった。

 まだ夜明け前なので辺りは真っ暗だった。空港に着くと、暴風雨が吹き荒れる中にも関わらず、空港ビルの入口(外)で既に10人ほどが雨合羽を着込んで座り込んでいた。

 一見して異様な光景だった。今、台風18号が近くを通過中なのだ。かなりの風雨で、とても現実の光景には見えなかった。
尾之間温泉(公衆浴場)
足湯もあってゆっくりとくつろげる
 でも、早く帰るには並ぶしかない。僕は持参した雨合羽を着込んで、その列の後方にならんだ。友人と30分交代にしようと申し合わせ、一人が列に並んでいる間、もう一人は車の中で仮眠した。

 暴風雨の吹き荒れる中なので、かなり悲惨な光景だったのだが、僕はこういう経験も面白いものだと、さほど苦痛ではなかった。

 空港ビルは7時に開門し、その後は建物内で1時間並び、8時から搭乗順を示す整理券が配布された。

 この甲斐あって、僕らは66番目〜70番目の整理券を手に入れることができた。後で聞いたのであるが、搭乗整理券は700枚ほど発行されたそうである。やはり、朝早くから並んだのが正解だった。
台風の通過後、もう一度見に行った千尋(センピロ)の滝
 既に台風は九州北部を北上中だったが、この日、飛行機が飛ぶかどうかは微妙な状況だった。第一便が飛ぶとしても、夕方であろうことは推測できた。僕らは予定外の日を有効に使うべく、レンタカーで再び島の南に向かった。センピロの滝をもう一度訪れ、その後に、公衆浴場である尾之間温泉に浸かった。

 15時頃、宿に舞い戻ったところ、今日の夕方に臨時便がでるとの情報をつかみ、あわてて宿をチェックアウトし、空港に向かう。
千尋(センピロ)の滝の展望台から望むモッチョム岳
雲に隠れているのが残念だ・・・
 その後、18時頃まで空港で待ったが、出された結論は、機材(飛行機)の調達ができない為、臨時便は欠航するとのことだった。ガガ〜ン。なんだよ〜。臨時便の欠航って! その欠航理由に納得できない何人かの乗客が、空港カウンタに詰め寄っていたが、事態は変わらなかった。

 ここは腹を決めて、さらに1泊するしかない。僕らは再びレンタカーを借りて、チェックアウトした宿に戻ることにした。もちろん予約などしていないが、新たな観光客が島に入って来られない状況なので、当然、僕らは泊まれるという訳だ。こういう時は、孤島となった島は好都合なのである・・・。

 こうして、まったく予定外の屋久島5泊目を迎えたのだった。
春田浜ネイチャーウォッチングリーフ
■9月8日(島内滞在6日目)
 さて、今日は帰るぞ〜! 朝、5時半頃に起床し、日の出前の時間に近くの春田浜という海岸に行った。もちろん、人っ子一人いない。僕は持参した海水パンツに着替え、一人で泳いだ。屋久島に来て初めての海水浴だ。水温はさほど低くなく、結構気持ちよかった。

 人工的に作られたスイミングゾーンだろうが、なかなか面白い空間だった。台風の影響が残る外海では、とても泳げる状態ではなかったが、この空間は快適だった。

 友人以外、誰も居ないことを良いことに、僕は素っ裸になって着替えをした。
春田浜のスイミングゾーン
日の出直後に泳いだ・・・
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