2020年9月5日
シフトレバー機構のオーバーホール
Vol. 159
 昨年の暮れあたりからだと思うが、5速から4速にシフトダウンする際、シフトレバーが途中で引っかかり、キチッとニュートラルポジションに戻らない現象が発生していた。この際、シフトノブをチョイと押すと、ニュートラルポジションに戻るのだが、特にサーキット走行中にこの現象が発生すると、4速ではなく、誤って2速に入れそうで、結構怖いのだ。特に鈴鹿のストレートエンドでは、車速が200km/h以上出ているので、誤って、2速に入れてクラッチをつなごうものなら、間違いなくオーバーレブして、エンジンブローに至ってしまうだろう。

 シフトレバーがニュートラルポジションへ戻る力は、ミッション内のスプリングにより、ワイヤー経由でシフトレバーに伝達されている。従って、このスプリングが壊れれば、あるいは、ワイヤーに変形などが発生し、伝達に支障が出れば、起こりえる現象である。
 ショップで調査してもらったが、ミッション内のスプリングが壊れるというのはまず考えにくいとのことで、伝達するワイヤーの変形も無いことから、シフトレバー周辺のメカ機構のどこかに原因があるとの予測で、考えられるメカパーツを全て新品に交換してもらった。その際、レバーが戻る力を、レバーの締め付けトルクの調整で、最適化してもらった。

 この対応で、とりあえず問題は解消し、快調に動くようになったが、金属の熱膨張など、周囲温度に依存する可能性も否めない為、シーズンを通して様子見してみないと、完全に治ったかどうかは断言できない。仮に、再発するようなら、渦巻き状のスプリングを追加して、シフトレバーを強引に戻す等の特殊な対策を施す必要があるかもしれない。なお、ショップでは今まで経験の無い現象だとのこと。