平成の気まぐれ山行記 2005年9月11日
北海道・知床・硫黄山(1562.5m)
2005年9月4日
その1
 前日、羅臼岳に登頂し足腰の痛みが出てきた中、硫黄山に向かった。短い日程で出来るだけ多くを楽しみたいと欲張った計画なので、痛い、疲れたとかは言ってられない。元々は硫黄山の頂に登る計画であったが、この時期、シャトルバスの始発が8時で、硫黄山登山口に降り立てるのは9時近くいなってしまう。この時間からの登山では、日没までに硫黄山を往復するのは困難だ。シャトルバスの利用した交通手段が無い以上、どうしようもない。僕らは硫黄山の新噴火口付近まで登り、この辺りで引き返すことで入山した。
コースタイム
知床自然センター08:00〜(シャトルバス)〜硫黄山登山口08:50/09:00〜展望台09:30〜新噴火口最上部(通過)10:45〜標高900m地点11:05/11:30〜新噴火口11:50/12:30〜登山口14:00/14:20〜(シャトルバス)〜知床五湖15:00/16:20〜(シャトルバス)〜知床自然センター16:40
■硫黄山ルート断面図
知床自然センターのシャトルバス乗り場
 硫黄山への登山はカムイワッカ橋近くにあり、自動車規制が行われている7月〜9月の間にここに行くには、シャトルバスを利用するしか手段はない。

 但し、9月に入るとバス始発が8時であり、この時間の出発では日のあるうちに山頂を往復するのはまず困難である。

 ヒグマの生息密度が高いエリアだけに、日没後の行動は危険が伴うし、シャトルバスの最終便は17時頃なので、バスで帰ることも出来なくなる。
知床五湖〜カムイワッカ橋への林道
(7月〜9月は一般車は入れない)
 ようするに、誰が考えてもこの時期の山頂往復は諦めざるを得ないのが現実だ。閑散期とはいえ、早朝に1便だけでも良いから、小型のバスを運行してくれるとありがたいのだが・・・。ま、登山者のことはあまり眼中にはないのでしょう。

 こんな状態なので、ピークハントは諦め、途中、新噴火口付近まで登り、引き返すことに決めた。

 知床自然センターから始発(8時)のシャトルバスでカムイワッカ橋に向かう。知床五湖から先は交通規制されており、許可車両のみ通行が許されている。
硫黄山登山口(標高約240m)にいたオスのエゾシカ
 写真でおわかりのように、ここの道路は舗装されていない。時折、道路脇にエゾシカが現れる。

 知床大橋の手前の崖崩れで、現在はカムイワッカ湯の滝がバスの終点だそうだ。始発であるにも関わらず、バスは満員で、我々3人以外はすべてカムイワッカ橋で下車してしまった。皆の目的はカムイワッカ湯の滝である。

 我々はバスの運転手にお願いし、登山口まで運んでもらった。(カムイワッカ橋から歩いても10分ほどである。)登山口ではオスのエゾシカが我々を出迎えてくれた。
登山道下部の原生林
 登山届けを出し、記帳簿をみたが、今日は誰も入山していない。我々3名だけなので、ヒグマに出会わないことを念じて入山する。

 羅臼岳下部の原生林とは少し雰囲気が違う。こちらのほうが原野という感じが強い。

 登山道の状態も羅臼岳に比べると、格段に悪く、人があまり入っていないことをうかがわせる。
展望台(標高約450m)よりオホーツク海を望む
 原生林の中を30分登ると、展望台に到着する。振り返れば、背後にはコバルトブルーのオホーツク海が広がっている。
展望台より硫黄山を望む
 展望台付近からは硫黄山の頂も良く見て取れる。
旧硫黄採集地(標高約450m)
 さらに少し進むと、旧硫黄採集地がある。かつては、ここに人が寝泊まりし、硫黄を採集していた跡だ。すっかりその面影はなくなっているが、石垣だけはしっかりと残っていた。
旧硫黄採集地(標高約450m)
展望台付近よりカムイワッカ川を望む
 眼下に目をやると、カムイワッカ川が見える。良く目をこらしてみると、人らしきものが動いている。

 この川の水は温泉であり、滝壺が天然の露天風呂となっている。いわゆるカムイワッカ湯の滝という名称で呼ばれている。

 我々と同じバスで来た人達の大半は、30分程の沢登りをして、皆、ここに来るのが目的だ。
上の写真のズーム
天然の温泉を楽しんでいる人達が見える
 我々も当初、硫黄山を登った後、ここに行く計画を立てていたが、登山靴しか持参していなかった為、行くのはあきらめた。

 カムイワッカ湯の滝の存在がかなり知られるようになったことで、相当数の観光客が訪れるようになったようだ。

 芋を洗うような状態で滝壺に浸かっても、あまり面白そうになく、そういうことも手伝って、あまり行く気にならなかった。ちなみに、帰りがけにカムイワッカ橋では100人ほどの観光客がいて、静かな自然が好きな僕としては・・・だった。
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