平成の気まぐれ山行記 2001年9月23日 作成
上越・大源太山
2001年9月21日
その1
カシミールによるシミュレーション
 上越・谷川連峰には大源太山(だいげんたさん)という名の山が2つある。一つは、三国山の北側にそびえる大源太山(1764m)で、別名「河内沢の頭」とも言う。もう一つは、清水峠の北西にそびえる大源太山(1598m)だ。後者の山はその山容から「上越のマッターホルン」の異名を持つ鋭峰で、過去、当地の近くを何度か訪れた際、その雄大な姿が強く印象に残っていた。そして、いつかは登ってみようと、密かに心の中で暖め続けていたのであった。本格的な山登りを止めてから既に22年の月日が過ぎ去っていたが、最近になって何故か山登りをしたくなり、その手始めに、この大源太山を登る計画を立てた。過去に使っていた幾つかの山の道具は残っていたが、信頼性の確保と軽量化の為、ほとんどの道具を新たに買い直して挑むことにした。なお、今回は友人と二人での山行となった。
◆ コースタイム ◆
林道終点 07:40〜丸木橋 07:55〜謙信ゆかりの道分岐 07:59〜1P(徒渉点) 08:10/08:20〜2P 08:50/09:05〜3P(稜線に出る) 09:45/09:55〜大源太山山頂 10:40/11:05〜丸木橋 13:15〜林道終点 13:25
丸木橋
 前日、日本列島を台風が通過した為、翌日は晴れるものと期待していたが、予想に反して、天気予報は曇りのち雨であった。当日の朝6時に起床し、早々に外を見ると、あたり一面はどんよりとした雲に覆われており、山腹は霧に包まれていた。「これはダメかな?」と思ったが、明日の天気も期待できるような予報ではなかったので、行ける所まで行くことにする。

 早々に朝食を食べ、投宿先より車で出発する。途中、コンビニでおにぎりと間食を買い込み、旭原を経て林道終点に到着する。天気が悪いせいか、他に車は無く、先行者はいないようだ。ここに車を置き出発する。なだらかな山道を進むと、ほどなくして、丸木橋に到着する。記念撮影だけして先に進む。「謙信ゆかりの道」への登山道を右手にみて、我々はまっすぐに進む。

 しばらくすると、北沢の徒渉点に到着する。歩き始めて丁度30分経過していたので、ここで休憩とする。沢には2ヶ所ほど徒渉の為のロープが渡してあったが、それに頼るほどの水量でもなく、転石づたいに難なく徒渉する。その後、10分ほど沢伝いに進むと、いよいよ急登の始まりである。

 ガイドブックに「急登」と書かれていたが、登山道のいたる所に補助用のロープが張り巡らされており、それはまさしく急登であった。急登の途中で1回の休憩をとり、1時間強の所要で尾根上にでるが、辺り一面に立ち込めたガスで、あたりの景色はまったく見えなかった。上に登ればいつかは頂上に着くだろうと、ただひたすら登る。

 森林限界を過ぎてしばらく進むと、鎖の張ってある岩場に出た。この岩場は全体が斜め右方向に傾斜しており、表面が濡れていることも手伝って、非常に滑りやすく、鎖を頼りに慎重に進むと、突然、大源太山の山頂に到着した。登り始めてから丁度3時間の行程であった。ガイドブックには2時間50分の登りとあったので、我々のようなロートルパーティにしては、まずまずの所要時間であった。

 山頂は濃いガスに覆われており、あたり一面は真っ白であった。景色を楽しめないことが大変残念だったが、個人的には22年ぶりの山行ということで、心の中はそれなりに充実していた。山頂は思った以上に狭く、上越のマッターホルンと言われるにふさわしい雰囲気だった。

 山頂で持参したおにぎりを食べ、腹ごしらえをする。温度計を持参しなかったので正確なところはわからないが、気温はおそらく10℃前後だったろう。しばらく休んでいると、次第に肌寒くなって来たので、登頂の喜びもつかの間、早々に下山を開始する。

 前述の岩場を下った頃より、小雨が降り出してくる。それでも、途中で目に入った高山植物などをカメラにおさめながらのんびりと下る。森林帯に入る頃より大粒の雨が降ってきたので、持参した雨合羽を着る。濡れた岩と木の根は大変滑りやすく、急登の下りでは少々手こずったが、何とか気力を振り絞って下る。そして、山頂から2時間20分の所要で、車を止めていた林道終点に到着した。その後、帰りがけに、湯沢の「ハーブの湯」で疲れた体を癒し、完登できた喜びをわかちあったのであった。
謙信ゆかりの道への入口
徒渉点
中腹より下を望む
頂上直下のクサリ場
大源太山山頂(1598m)
登山道で見かけた木々
※雪の重みで極端に曲がりながらも必死に生きている。
大源太湖よりの大源太山(中央の山)
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