2001年4月7日 作成
第15回 丹沢集中登山
1973(S48)年7月7日〜8日
渋沢駅〜(バス)〜大倉口〜戸沢〜背戸の沢〜塔ノ岳〜大倉尾根〜大倉口〜(バス)〜渋沢駅
夏の沢登りは涼しくて最高!
 僕にとっては2回目となる集中登山(第15回)である。参加者は115名ほどで、そのうちの44名が山岳部員だった。設定されたコースは、尾根コースが主脈、主稜、表尾根、ユーシン、政次郎の5コース、沢コースは本谷、背戸の沢右俣、背戸の沢左俣、戸沢、新茅の5コースだったと思う。僕は、記憶がはっきりしないが、多分、昨年に引き続いて「背戸の沢右俣」を登ったと思う。女性3名を含む職場の同僚や先輩7名を連れ、山岳会OBの方の手を借りて登った。

 一般の参加者がいるので、当然、40mの大滝などは高巻いたが、登れそうなところはザイルを使って積極的に登った。だから、参加した皆も沢登りのスリルを味わえたようで、それなりに満足していたと思う。頂上で撮影した写真に残る皆の笑顔がそれを物語っていた。また、山に不慣れな友達と登るのは、普段の山行とは違って、また楽しいものである。時には、普段の付き合いでは気が付かないような友人の意外な一面を見ることもあり、なかなか面白い。

 集中登山の話題からはちょっと脱線するが、人間は極限状態におかれると、その人の本性が現れるというのは本当のようだ。山をやっていると、時々、そういう場面に遭遇するのである。人の良い面が見えることもあれば、悪い面が見えることもある。だからといって、何か変わる訳ではないのだが、そういう人間模様が垣間見れるのも、面白いといえば面白い。自分勝手に振る舞う人もいれば、あくまで沈着冷静に行動できる人もいる。もちろん、下界でもそういうことはあるだろうが、山では命がけの場合もあるので、同じ次元では語れないだろう。かく言う僕も、決して例外ではない。きっと僕の悪い面なども仲間に見られていたことだろう。

 僕は、幸いにして山で遭難するこはなかったが、一歩手前の状態ということは何度か経験した。吹雪の中、体力も気力も使い果たしてしまった時、「もうどうにでもなれ」という投げやりな気持ちになったことが何度かあった。吹雪の中、このまま座り込んだらどんなにか楽だろうな・・と思いつつ、夢遊病者のようにフラフラと歩き続けたこともあった。人が生きる気力を失った時は、いわゆる危険な状態なのだが、そうして遭難してしまう人の気持ちは何となくわかる。でも、今こうして生きていられるのは、何を隠そう苦楽を共にした「山の友」がいたからだ。仮に、あの時一人で行動していたら、どうなっていたかわからない。人間なんて案外弱い動物なのかもしれない。いや、僕が弱虫過ぎるのかもしれない。
一緒に沢を登った仲間たち(塔ノ岳山頂にて)
参加者全員(大倉堰堤にて)
参加した山岳部の部員全員(大倉堰堤にて)
丹沢ってどこにあるの?
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