2001年2月4日 作成
丹沢 (登攀訓練&沢登り)
1972(S47)年6月9日(夜)〜11日
6月09日 小雨のち曇り 溝の口 18:34〜渋沢 19:50/20:15〜大倉 20:30/20:40〜戸沢 22:10 (幕営)
6月10日 晴れ 起床 06:35〜モミソ岩にて岩登り訓練 09:00/16:00〜戸沢 16:20 (幕営)
6月11日 晴れ 戸沢 07:45〜背戸の沢右俣〜稜線 10:15〜塔ノ岳 12:20/12:45〜(政次郎尾根)〜幕営地 14:08/16:05〜大倉 17:30/18:13〜渋沢 18:30/18:53〜登戸 19:46
メンバー: 杉谷(CL)、山口(SL)、沖、渡辺、半田、村山、中満、小幡、柴山、黒川
会費(交通費/食料費): \2,000/一人 ※山行報告書有り
モミソ岩にて、ビビりながら訓練する私
 これは、僕が山岳会に入って、初めて神奈川県の丹沢に行った時の記録である。この山行の目的は、丹沢の沢登りを満喫することにあったが、我々新人にとっては沢登りの経験もない訳で「満喫する」などと悠長なことを言える状況ではなかった。先輩部員5名、新人部員5名の計10名で、ズッシリと重い荷物を背負って、不安と期待が入り交じっての山行となった。小田急線の渋沢駅から、大倉口行きのバスに乗り、15分ほどで終点「大倉口」に到着する。ここより単調な林道を約2時間かけて歩くことになる。目指す場所は、表丹沢の水無川上流に位置する「戸沢」という場所である。ここは夏場には表丹沢の沢登りの拠点として、数多くのクライマーで賑わう。山小屋なども何件か営業しているが、山屋のほとんどはテント生活である。

 水無川はこの戸沢を境に幾つもの支流に分かれており、本谷、背戸の右俣、背戸の左俣、新茅など多くの沢が頂上「塔ノ岳」に向かってのびている。これらの沢の中には40mもの落差を有す大滝なども存在し、沢登りファンにとっては、自分の技量を試す格好の場所を提供してくれている。

 初心者の我々は、いきなり沢登りなどさせてくれる訳もなく、戸沢のモミソ沢出合にある「モミソ岩」と呼ばれる小さな岸壁で、終日、岩登りの特訓を受けることになった。何せ、生まれて初めての岩登りで、当時の写真をマジマジとみると、まったくの「ヘッピリ腰」で、何とも不格好な岩登り風景である。震える足を必至になって隠しながら、何とか初日の訓練を終えたのであった。

 翌日は、沢登りの実践である。会のメンバーは、2つのパーティーにわかれて、それぞれ本谷と背戸の沢右俣に入ることになった。そして、塔ノ岳山頂で全員が合流する計画である。僕は先輩二人と同僚の新人の計4人で、「背戸の右俣」と呼ばれる沢に入った。この沢には、途中、40mもの落差を有す、ほぼ垂直にそそり立つ大滝があり、熟練者は皆ここに挑戦する。我がパーティーは我々新人がいたこともあり、この大滝は登らずに、滝の横の藪の中を高巻いた。この大滝では、過去幾度も転落事故や死亡事故が発生しているようで、滝の正面岸壁には所々に追悼の慰霊碑が造られていた。そうこうしているうちに、沢登りも大詰めで、気がつけば、稜線上に立っていた。その後、稜線伝いに2時間ほど縦走路を登り、予定通り塔ノ岳山頂で皆と合流した。

 こうして、この沢登りをきっかけに、僕は岩登りの魅力にとりつかれていくのであった。
懸垂下降の練習中
何とも不格好・・・
丹沢ってどこにあるの?
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