◆◆ マイクロスコープの実力は? ◆◆
2000年9月6日
 最近、インテル株式会社よりコンピュータ・マイクロスコープと称すものが発売されました。外観は左の写真の通りです。

 前々より微少化石を撮影するのに随分と苦労してきましたので、これが微少化石の撮影に使えれば、まさに願ったり叶ったりです。帰りがけに立ち寄ったコンピュータショップで目に留まり、衝動買いをしてしまいました。

 早速、自宅に持ち帰って、実際に使ってみました。ここでご紹介する内容は、装置の性能すべてをご説明している訳ではありません。ご購入の検討をされている方は、ご自身の責任でご判断下さい。
■ 仕様概要
商品名 QX3 コンピュータ マイクロスコープ
発売元 インテル株式会社
価格 定価 14,800円(税別)、実勢価格 13,500円(税別)
必須環境 日本語版 Microsoft Windows 98、USB接続ポート必須
動作環境 CPU - Intel Pentium 200MHz以上
必要メモリ - 32MB以上の搭載メモリ
ハードディスク - 95MB以上の空き容量
CD-ROMドライブ - 4倍速以上
サウンド - DirectX 7.0以上に対応したWindows用サウンド機能
ディスプレイ - DirectX 7.0以上に対応した800x600 High Color表示機能
光源 トップとボトムにそれぞれ光源があり、明るさもPCから切り替え可能
倍率 10倍、60倍、200倍の3段階切り替え
その他 マイクロスコープはスタンドから取り外して任意の被写体を撮影可能
大きさ 高さ−約26cm(スタンドに装着した状態)
■ 評価に使用したPC
モデルX Type - Tower PC
OS - Windows 98 2nd Edition
CPU - Celeron 300MHz
SD-RAM - 64MB
Video board - Melco WGA-SF32 (32MB Video RAM)
モデルY Type - Tower PC
OS - Windows 98 2nd Edition
CPU - Pentium III 700MHz
SD-RAM - 256MB
Video board - Intel(R) 810 Chipset Graphics Driver PV2.1
モデルZ Type - Note Book PC (B5 size)
OS - Windows 98
CPU - MMX Pentium 266MHz
SD-RAM - 64MB
Video board - NeoMagic MagicGraph 128XD
■ 画像サンプル
 下記に実際に私が撮影した画像を幾つか掲載しておきますので参考にして下さい。但し、撮影技術如何ではもっと綺麗に撮影できるのかもしれません。なお、下記の画像は、コンピュータ・マイクロスコープに添付のソフトウェア「QX3」でストアした画像をそのまま掲載しています。新たな画像処理等は一切加えておりません。

■画像サンプル1(10円硬貨の画像)
■画像サンプル2(オオスナモグリの脚化石)
■画像サンプル3(ヒメカノコアサリの化石、画鋲、ミツバチの足)
■画像サンプル4(0.1mm単位スケールの画像)
■ 結果と感想
1)  前述したように、モデルの異なる3台のPCで評価してみましたが、Celeron 300MHzおよびPentium 266MHzのPCでも、それほど違和感なく使用できました。キーポイントは、CPUの速度よりも、ビデオボードの性能に大きく依存するようです。なお、皮肉な事ですが、上記の3台のPC中では、一番CPU速度の劣るノートPCが、最も快適に動作しています。(理由はわかりません。)
2)  マイクロスコープがライブの状態では、リアルタイムに撮影画像がPCに送られますので、この状態ではPC側にかなり負担がかかっているようです。スムーズな表示を期待する場合は、あらかじめ、画像処理能力の高いビデオボードを装着していたほうが良いかもしれません。インテル社の取扱説明書には、ビデオボードの種類によっては、正常に動作しないこともあり得る旨、説明されています。
3)  マイクロスコープは、10x、60x、200xの3段階の倍率切り替えができますが、微少化石の撮影には倍率10x or 60xが適しているようです。なお、60x、200xでの画像撮影は、焦点調整が結構難しいです。多分、私の技量不足なのでしょうが、光量も少し不足気味のようです。
4)  当たり前ですが、本スコープは平面物体の撮影用ですので、立体物の撮影には不向きです。(物体の一部にしか焦点はあいません。)
5)  販売価格を考慮すれば、相応の性能なのではないかと思います。特に、複数の人がリアルタイムで拡大画像を見ることができますので、使い方次第では結構楽しめるのかもしれません。