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Raysの貫通型クロモリ鋼ホイールナット
17HEX M12 x P1.5 L=35mm |
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サーキットを走る場合、ブレーキを多用することで、ブレーキローターで発生した熱が、ハブおよびハブボルトを介して、タイヤホイールとホイールナットに伝わる。ここでは、このホイールナットの材質について、考えてみたいと思う。ホイールナットに求められる条件としては、熱膨張率が低いこと、十分な強度(硬さ、引っ張り強度)があること、軽いこと等が上げられる。但し、これらの条件をすべて優位的に満たす材質は無い。従って、安全性を優先すると、前者の2つが重要となり、軽さの優先順位は低くなる。 |
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通常、ハブボルトは鉄製なので、そこに使うナットも、熱膨張率を考えると、同じ材質である鉄が望ましい。メーカの純正ホイールナットのほとんどが鉄製である所以である。昨今ではアルミやジュラルミン製のナットに、クロムメッキを施したカラフルなナットが多種販売されている。これらの材質の熱膨張率は、鉄に比べ2倍程大きいことに注意されたい。即ち、ハブボルトとナットが同じ温度に上昇したとすると、ナットのほうがより膨張し、緩む方向にあるということだ。即ち、熱膨張率は小さいほうが望ましい。
熱膨張率(単位は10-6/℃)
チタン: 8.4
クロムモリブデン(クロモリ)鋼: 11.2
鉄: 12.1
ジュラルミン: 23.4
アルミ合金: 23.6
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貫通型HEXナットとロックナット |
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貫通型のクロモリ鋼ナット
締め付けの確実性、軽量化、放熱性の観点から
お勧めである |
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また、材質別の硬さを見てみると、次のようになる。数値が大きいほど硬いことを表す。ホイールナットとしては、鉄と同等以上の硬さが望ましい。
チタン: 310
クロムモリブデン(クロモリ)鋼: 269-331
鉄: 201-269
ジュラルミン: 155
アルミ合金: 40-100
ジュラルミンとアルミ合金ナットは、脱着を幾度も繰り返すと、ネジのピッチが摩耗する傾向にあるので、サーキット走行に限らず、一般用途であっても、脱着回数が多い場合は、定期的に新品に交換する等の工夫が必要であろう。 |
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重さ(比重)を比較すると以下の通りとなる。単位はg/cm3(20℃)、数値が大きい程、重いことを表す。ホイールナットとしては、もちろん軽いに越したことは無い。
鉄: 7.8
クロモリ鋼: 7.8
チタン: 4.5
ジュラルミン: 2.8
アルミ合金: 2.7
以上をまとめると、サーキット走行で使用するホイールナットは、鉄かクロモリ鋼が望ましい。チタンも良いが、値段はクロモリ鋼の6〜7倍と高価である。これらの材質に限っていえば、ナット経は最小の17HEXで良いと思われる。また、ジュラルミンやアルミ合金のナットは、熱膨張率と硬さ(強度)の観点から、少なくともサーキット走行での使用はお勧めできない。 |
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Rays 貫通型クロモリ鋼 17HEX M12 x P1.5
ロックナット付を 装着した例 |
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