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御池田代への登山道入口付近 |
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自宅を3時半に出発し、一路、福島県の檜枝岐村へ向かう。7時少し過ぎに、登山口である御池の有料駐車場へ到着した。
既に何十台もの車が停まっており、多くの人が出発の準備をしていた。
周りはまだかなりの残雪があり、登山コース入口を見るといきなりの残雪だ。参ったな、雪の事など、あまり考えてなかったので、スパッツすら持ってこなかった(苦笑)。 |
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御池田代の湿原 |
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どうも2mほどの残雪があるようだ。天気につられ、思いつきで来てしまった。三条ノ滝まで行くつもりだったが、予定を変更して、上田代辺りまでの散策にすることにして、7時20分、登山道に足を踏み入れた。
御池田代の湿原は、一部が顔を出しているものの、多くはまだ雪の中だった。水芭蕉が少しずつ、咲き始めていた。 |
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上田代 |
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7時53分、上田代の雪原に到着した。空は快晴で気持ちが良い。スタート直後は肌寒かったので、ジャケットを着て出発したが、直ぐに汗をかき出したので、脱ぎ捨てて、長袖シャツだけで歩くことにした。 |
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横田代 |
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8時50分、出発から1時間半で渋沢温泉小屋への分岐点に到着した。ゆっくり歩いてきたけど、まずまずのペースだ。
この分なら、あと1時間ほど歩けば三条ノ滝だ。ということで、予定を変更し、先へと歩を進めることにした。この決断が後で悲劇を生もうとは、まったく予想もしなかった。
9時5分、うらひうちはしを通過し、9時36分に兎田代の分岐に到着した。御池から2時間10分ほどでおおむね標準コースタイム通りだ。 |
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うらひうちはし |
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ここからは三条ノ滝に向かって、一気に下る。登山道はまったく見えず、木々にペイントされた赤ペンキだけが頼りだ。
途中から雪の急斜面になり、少し躊躇したが、脇の小枝を掴みながら、後ろ向きでステップをつくりながら、慎重に下る。滑落すると、只見川の激流まで停まらずに転落するかもしれない。
下りながら、自分が少し無謀な事をしていることに気が付いたが、こんな急斜面で、今更、引き返せない。 |
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三条ノ滝から平滑ノ滝へ向かう登路 |
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どうにか最下部まで無事に降り立ち、三条ノ滝を探したが、まったく見つからないのだ。後で気づいたのだが、持参した地図は1972年に印刷されたモノで、コースの標記が少し違っていた。下った地点からより、さらに10分ほど下流に行けば展望台があったのだが、この時はどうしてもわからず、結局、あきらめた。
さて、下ってきた急斜面を見上げながら、これからどうしようかと思案したが、この急斜面をまた登る気にはどうしてもなれず、只見川沿いに元湯山荘まで登ることにした。 |
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平滑ノ滝 |
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途中、平滑ノ滝の展望台に出た。展望台は雪に覆われていたが、道標の頭だけが雪から顔を出していたので、現在地が確認できた。滝は雪解け水で水量も多く、なかなか見応えがあった。
その後、沢をいくつも越える為に、上り下りを来る返していると、僕の左足の膝が悲鳴を発し始めた。筋肉が痛み出し、今にも痙攣しそうだった。やばい・・・。 |
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元湯山荘 |
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このルートには踏跡がほとんど無かったことから、訪れる人もまばらなのだろう。こんなところで動けなくなったら、それこそやばいぞ。なんとしても、山荘までいかなければ・・・。
気持ちを落ち着かせることもあって、途中の沢のほとりで昼食を食べ体を休めた。
そして、11時14分、ようやく元湯山荘に到着した。山荘はまだ閉鎖されており、人っ子一人いなかった。 |
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元湯山荘横から赤田代を望む |
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足の具合もやばいので、ここで小休止することにした。元々、予定外だったか、三条ノ滝からここまでの1時間の登りは、ほとんど踏み跡もなかったこともあって、結構体に堪えてしまった。
でも、水芭蕉とフキノトウが僕の気持ちを癒してくれたのは幸いだった。さて、ここから御池までの帰り道は、8.3kmもある。標準コースタイムで3時間50分だ。左膝の筋肉が保ってくれればいいのだが・・・。不安を抱えながら元湯山荘を後にした。 |
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赤田代の湿原で見つけた水芭蕉とフキノトウ |
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兎田代までの道のりの長く感じたこと。左足をかばいながら、半ば引きずるようにして歩いた。
途中、前日みた栗城君の8000m峰挑戦のビデオを思い出した。無酸素で苦しんでいる最中に一人で雄叫びをあげていたのだ。その気持ちは理解できる。僕も心の中で雄叫びをあげて、歩いた。
こんなところで動けなくなったら、周りから何を言われるか大体想像が付くので、根をあげる訳にはいかない。 |
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御池田代の水芭蕉 |
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10歩進んでは立ち止まり、10歩進んでは立ち止まりだったが、出発してから8時間後の、15時20分、どうにか御池に舞い戻ることができた。 |
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途中で見かけた野鳥 |
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