平成の気まぐれ山行記 2001年10月13日作成
中央アルプス・木曽駒ヶ岳&宝剣岳
2001年10月3日
その1
 久しぶりに中央アルプス・駒ヶ岳を訪れた。僕にとっては実に16年ぶりである。ここには東洋一の高低差を誇る駒ヶ岳ロープウェイがあり、2600メートルの高地までを、わずか7分30秒で運んでくれる。終点の千畳敷までは文明の利器を利用し、ここから駒ヶ岳、宝剣岳を稜線漫歩する計画をたてた。
◆ コースタイム ◆
菅の台駐車場 08:30〜(バス)〜しらび平 09:00/09:35〜(ロープウェイ)〜千畳敷 09:45/09:50〜乗越浄土 10:40/10:50〜駒ヶ岳山頂 11:30/12:25〜浄土平 12:52〜宝剣岳山頂 13:10/13:40〜極楽平 14:10/14:30〜千畳敷 14:50/16:44〜(ロープウェイ)〜しらび平 16:54/17:00〜(バス)〜菅の台駐車場 17:30
駒ヶ岳ロープウェイ しらび平1,661.5m〜千畳敷2,611.5m
高低差950m 秒速7m 所要7分30秒 61人乗り
 菅の台のバス停に行くと、既に60人ほどの人達がしらび平へのバスを待っていた。これだけの人がいると、とても定期バス1台には乗り切れない。臨時バスが出るものと思っていたが、「臨時バスがでるかどうかはわからない」、という係員の何とも素っ気ない言葉を聞きながら、次のバスを待つことにした。ちなみに、しらび平へのマイカーの乗り入れは禁止されている。

 ほどなく、臨時バスが出ることになり、これに乗車することができた。30分ほどでしらび平に到着し、ここでロープウェイに乗り換えることになる。しかし、僕が到着した時には既に長蛇の列ができていて、30分ほど待たされることになる。ようやくロープウェイにも乗車でき、わずか7分30秒で標高2、611mの千畳敷に到着した。

 幸いにも僕が訪れた日は快晴で、一面に紅葉した素晴らしい景色が僕を迎えてくれた。絵に描いたような、まさに目の覚める光景だ。

 千畳敷からは稜線上(乗越浄土)まで約1時間の登りだ。この日は岐阜から来たという約100名ほどの中学生の一行が登っていた。僕は年甲斐もなく「負けてなるものか・・・」と競争心をあらわにし、必死になって歩を進めた。そして、どうにか追い越されることもなく、乗越浄土の稜線上に出ることができた。

 ここからの景色はまた格別で、登ってきた千畳敷のカール地形が一望できるだけでなく、遠く南アルプスの峰々が手によるように見渡せる。そんな絶景に感激していると、どこからともなく異臭が漂ってきた。僕はビックリして周りを見渡した。それは付近の山小屋の焼却炉が発生源であった。ゴミが不完全燃焼しているのか、それともプラスチックゴミを燃やしているのか、ともかく、鼻をつく異臭と共にあたり一面を煙が覆い尽くしていた。

 この煙の悪臭には私ならずとも、ここに登ってきたすべての登山者が不快感を感じたはずだ。よりによって、登山者の多くが稜線に到着するこの時間帯に、ゴミを焼却することもあるまい。色々な事情はあるにせよ、夜間や登山者が少なくなる夕方などを見計らって消却するなど、もう少し配慮してもらいたいものだ。この悪臭で僕はすっかり気分を害してしまった。

 こんなところに長居は無用だ。休憩もそこそこに、駒ヶ岳めがけて登高を開始した。乗越浄土から中岳を経由して40分ほどで駒ヶ岳山頂に到着した。頂上には先の中学生の一行なども登ってきた為、かなり混み合っていた。僕は北側に少し下ったあたりで、持参したおにぎりをほおばりながら、久しぶりの3000m級のアルプスを満喫することにした。休憩していたところには、小さな神社があったので、これからの安全を念じてお祈りした。

 長めの休憩をとった後、登ってきた道を宝剣岳めがけて下る。登ってきた時には気がつかなかったが、下山を開始してすぐに、中岳のトラバース・ルートがあることに気付いた。付近の登山者に訪ねると、このルートは岩場が多く危険なので、一般登山者はあまり足を踏み入れないという説明を受けた。そう聞けば、行かぬ手はない。何の迷いもなく、僕はこのトラバースルートをたどることにした。
千畳敷カールより宝剣岳(左側のピーク)を望む
※この画像は拡大で見られます。画像上を左クリックして下さい。
千畳敷より乗越浄土への登路(下部)
背後の建物はロープウェイ駅およびホテル千畳敷
乗越浄土への登路(上部)
乗越浄土への登路(上部)
※この画像は拡大で見られます。画像上を左クリックして下さい。
乗越浄土より中岳(2925m)と天狗荘
中岳より木曽駒ヶ岳(2956m)と頂上山荘を望む
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