2001年9月22日 作成
北アルプス 北鎌尾根 登攀
1976(S51)年4月30日〜5月4日
■北鎌尾根ルート図
■北鎌尾根断面図
4月30日 新宿23:20〜(夜行電車)〜信濃大町05:25
5月1日 信濃大町06:00〜(バス)〜葛温泉07:00〜東沢出合10:00〜湯俣13:00〜千天出合15:00 (幕営)
5月2日 千天出合06:00〜P208:00〜P4(2426m)11:00〜北鎌コル14:00 (幕営)
5月3日 北鎌コル06:00〜独標(2899m)10:30〜北鎌平13:30〜槍ヶ岳(3180m)〜肩の小屋15:00 (幕営)
5月4日 肩の小屋06:00〜槍沢〜上高地13:00〜(バス)〜松本〜(電車)〜八王子
メンバー: 山口(CL)、渡辺(SL)、島野、杉谷、中満
会費(交通費/食料費):\9,000/一人 ※山行計画書有り
※上表のコースタイムは計画時のものです。
千天出合にて(初日)
 1年半前の10月に友人と二人で訪れて以来、僕にとっては二度目の北鎌尾根登攀となった。今回は残雪期の北鎌尾根に会の4名で挑戦することになった。当時の山行計画書が手元に残っているので、かすかな記憶を頼りに振り返ってみたい。

 初日は、葛温泉からの長い長い道のりを8時間程かけて、幕営予定地の千天出合に到着した。このコースは気の遠くなるような長さだ。この日はあいにくの小雨模様だったが、千天出合に到着する頃には雨も上がっていた。

 前回、友人と二人で訪れた時は、北鎌基部よりは取り付かず、北鎌沢右俣より北鎌コルに入ったが、今回は北鎌尾根基部となるP2より取り付くことにする。

 二日目はP2、P4と順調に進み、北鎌コルにて幕営する。

 翌三日目は、時折ガスがたちこめる中を、順調に独標まで進む。我々が入山していた時は、4〜5パーティが同時に入山しており、コルなどで休憩する際はかなり混み合っていた。

 槍ヶ岳も間近に迫ったP13〜P15辺りだったと記憶しているが、ナイフリッジになっている、容易には通過できない尾根があった。皆、尾根の横をトラバースしていくしかないのだが、その場所は残雪がポッカリと口をあけて、いつ雪崩が発生してもおかしくない場所だった。

 その風景を見て、僕は思わず尻込みした。今にも雪崩そうな感じだった。でも、先に行くにはそこを通過するしかなく、意を決してトラバースを開始した。一人心の中で「雪崩れないでくれ、雪崩れないで」とつぶやくながら、運を天に任せて通過した。僕の願いが通じたのか、幸いにも何も起きなかった。でも、この時ばかりは本当に肝を冷やした。万が一、雪崩れていれば、ブロック雪崩れとなって、ひとたまりもないだろう。

 そうこうしているうちに北鎌平に到着し、槍ヶ岳への登りも快適に進み、無事、槍ヶ岳山頂に立つことができた。皆で成功を祝い、この日は肩の小屋付近に幕営する。

 翌日は、幕営地より槍沢を下り、上高地経由で帰路についた。

 今回の山行の成功で、10月と5月の北鎌尾根を登ることができた。「今度は絶対に厳冬期の北鎌に挑戦するぞ!」と、密かに心に誓いながら、僕は家路についた。(が、とうとう、その夢も果たせぬまま、今日に至ってしまった。今、考えても、ちょっぴり心残りである。)
番線で出来た一本吊り橋を、一人ずつ渡る
天上沢の吊り橋だったと思う
北鎌尾根下部(正確な場所は忘れた)
ガスがたちこめる中を進む
北鎌尾根上部よりの下部遠望
北鎌尾根ってどこにあるの?
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