バイ貝の味は?
2001年11月3日
 先日、仕事帰りに都内の居酒屋に入ったところ、付け出しにバイ貝x2個が出てきた。僕はこの貝は化石ではお目にかかっていたが、現生のそれを見たのは初めてだった。で、直感的に頭にひらめいたのは「持って返ろう!」だった。(笑) とは言え、せっかくの付け出しなのだから、中身はその場で食すことにした。出てきたものはゆでたものだったが、蓋がなかなか取れずに少し手こずったが、爪楊枝で強引に引っぱり出すと、中から親指大の身が出てきた。早速、口に運んでみると、その味は・・・。街で良く売られている「つぶ貝」に似た味で、少し固めだったがなかなか美味だった。下の画像の現生のものは、この時頂いてきたものだ。

 ところで、俗に言う「つぶ貝」とはどういう貝なのか、手元の図鑑で調べてみた。すると、どうも正式な名称ではないようだ。図鑑によれば、「つぶ」とは、三陸から北海道地方で食用になるエゾバイ科の種類をいうようだ。東北地方で主要なものは「ヒメエゾボラ」で、ベーリング海方面では「マルエゾボラ」などが主のようだ。エゾバイ科以外でも、フジツガイ科の「アヤボラ」を「ケツブ」というらしい。でも、その辺で売られている「つぶ貝」がどれに該当するのかは良くわからない。

 なお、蛇足だが、エゾバイ科のエゾボラモドキやヒメエゾボラなど、通称「つぶ貝」と呼ばれる貝の唾液腺中には、テトラミンという神経性食中毒を起こす貝毒が含まれているものがあり、時々食中毒が発生することがあるようだ。特に自分で調理する場合は、この唾液腺を除去するなどの注意が必要のようである。
化石 現生
名称 バイ Babylonia japonica (Reeve)
分類 バイ目 エゾバイ科
時代 新生代第四紀更新世
産地 千葉県印旛郡印旛村(成田層)
サイズ 殻高 7.0 cm、殻径 4.0 cm
名称 バイ Babylonia japonica (Reeve)
分類 バイ目 エゾバイ科
時代 現生
産地 不明
サイズ 殻高 5.8 cm、殻径 3.5 cm
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