ハルツの森とブロッケン山
2001年8月25日更新
ブロッケン山とその周辺
ほうきに乗った魔女
 1998年6月に、所用でドイツのブラウンシュバイク市(ハノーバー市より東へ70km程)を訪れた際、休日を利用して、ハルツの森に行ってきました。ここには「ほうきに乗った魔女」の伝説で有名な、ハルツの主峰ブロッケン山(標高1142m)があります。また、山男なら誰でも知っている「ブロッケンの妖怪」の発祥の地でもあります。

 若い頃、山登りをやっていたこともあり、ドイツに住んでいた時、1回はここを訪れたかったのですが、何せここブロッケン山の山頂は、当時の東ドイツ領内に位置していましたので、一般の観光客が訪れるなどということは不可能でした。左の地図で赤いハッチスクリーンがかかっている部分が旧東西ドイツの国境線です。15年以上もあたため続けた一つの「夢」が、ついに叶ったという訳です。
麓のシールケ駅
 主峰のブロッケン山へは、旧東独のHSBという鉄道会社のSLで行くことできます。その麓の駅が左の写真のシールケ駅です。ここは、もうハルツの森の真っ直中ですので、周りに人工の建物などはまったくありません。

 私が訪れたのは6月14日の日曜日でしたが、ドイツ人の観光客もまばらで、まして日本人観光客などはだれ一人としていませんでした。 
我々を山頂まで運んでくれるSL
 左の写真が、我々を山頂まで運んでくれるSLです。料金ははっきり記憶していませんが、山頂までの往復で五千円ほどだったかと思います。

 このSLですが、日本のように観光目的でわざわざSLを導入しているのではなく、旧東独時代の電化の遅れをそのまま引きずっているようです。麓の町もすべてこのSLが走っています。
麓をハイキングする家族
 左の写真は山頂に向かうSLの車内から撮影したもので、あえてSLには乗らず、徒歩でハイキングするドイツ人の家族です。ドイツの人は、このように自然を愛し、のんびりと満喫する人がとても多いです。

 ちなみに、山頂に行くSLですが、山頂でのUターンができない為、下りはバックする状態(最後尾が機関車)で降りてきました。  
ブロッケン山の山頂駅
 左の写真はブロッケン山の山頂駅です。
山頂駅から下り始めているSL
 左の写真は、山頂駅から下り始めているSLを撮影したものです。このように、下りは機関車が最後尾のまま下っていきます。
ブロッケン山の山頂
 左の写真は、ブロッケン山の山頂です。(中央の岩が山頂です。) この山頂には、人工物である大きな電波中継所がそびえ立っていて、私が期待していた程には良い景色ではありませんでした。

 また、山頂には歴史博物館があり、昔の電波中継器や第二次世界大戦当時の無線機などが展示されています。
中世のたたずまいを漂わせるゴスラルの町並み
 左の写真は、ハルツの山旅の足場となるゴスラルGoslarの旧市街の風景です。ここは、中世から銅などを生む鉱山町として栄え、帝国自由都市の権利を誇ってきた町で、写真のように、15〜16世紀頃の貴重な半木造の家々が各所に見られます。また、ドイツの大企業である「ジーメンス」の創始者であるジーメンス家の祖先の家などもあります。
 ハルツの森へはレンタカーを借りて一人で行って来ました。