北海道の旅(道中記) 2002年9月7日更新
8月8日(第8日目)
稚内〜利尻島鴛泊港〜島内一周〜鴛泊
走行距離(レンタカーによる利尻島内の走行):約120km
天候:雨のち曇り、朝の気温:14℃
備考) *マークの画像はデジタルカメラで撮影したものであることを表します。
利尻島に向け稚内港を出航 *
 朝の四時半には目が覚める。普段の生活では考えられない時間だが、旅行に出てからというもの、どうも早起きが習慣になってしまったようだ。雨音が聞こえる。部屋の窓から外を見ると本降りである。残念だが天気予報が当たってしまった。今回の旅行の主目的は、北海道の大自然を楽しむことにある訳だが、晴れと雨では天地ほどの差だ。明日は利尻岳に登る予定なので、何とか晴れてくれると良いのだが・・・。

 稚内港11時10分発のフェリーで利尻島に向かう。料金は片道1880円だ。愛車は稚内市内の無料駐車場においてきた。車で渡っても良かったのだが、島内には2日間しか滞在しないし、まして、そのうちの1日は登山なので、島内でレンタカーを借りたほうが安上がりなのだ。到着予定は12時50分なので、1時間40分の所要だ。2日間の宿は、自宅を出発する前に予約しておいた。船上でお昼を迎えるので、稚内のフェリー乗り場でピロシキ(ロシア風揚げパン)を二個買い込んだ。ピロシキなるものを食べるのは初めてだったが、なかなか美味しかった。

 フェリーは定刻通り、鴛泊港に入港した。旅館に入るには早い時間なので、そのままレンタカー会社に向かい、トヨタのVitzを13時〜17時まで4時間借りることにした。僕の借りたレンタカーは料金がガソリン代込みなので、返す時に給油する必要はないという。(4時間で1万円位である。)島内を一周しても、せいぜい63km位なので、おそらく島内の他のレンタカー会社も同じシステムなのだろう。

 僕は半時計まわりに島を一周することにした。レンタカー会社からもらったマップを頼りに、まずは姫沼というところに行ってみた。綺麗な沼だ。沼の周囲を1周する散策路もあるが、小雨が降っているので止めにした。天気が良い時は湖面に利尻岳が映り、きっと素晴らしい景観だろう。

 次に利尻島郷土資料館に立ち寄る。200円の入場料を払って、館内を見学する。島の歴史などを説明した展示物を見学する。利尻島にクマは生息していないと理解していたが、クマの捕獲を示す展示物があり僕の興味をひいた。何でも、明治45年6月に旭浜の漁師が出漁中に泳いでいるヒグマを発見し、悪戦苦闘の末に捕獲したそうだ。このクマは何と北海道本土から20km以上もある海を泳いで渡ってきたらしい。クマにも強者がいるようだ。(爆)

 次のオタトマリ沼でも曇っていて利尻岳は望めなかった。まったく残念だ。晴れていれば、気絶しそうな絶景が拝めるのに・・・。(ちょっと大袈裟かな?)

 この天気ではどこに行ってもダメだな・・・、半ば諦めて、ひたすらノルマだけを達成するような思いで運転していると、仙法志御崎公園に着く頃より、徐々に辺りが明るくなってきた。これは・・・と期待していると、雲の隙間から陽が差し始めたではないか。そして、突然目の前に利尻岳の雄姿が顔を出した。オオー! 凄い! じらされると感激もひとしおである。(爆)

 沓形(クツガタ)では更に晴れ間が広がっていた。どうも、島の東側半分(鴛泊側)は曇りで、西半分だけが晴れているようだ。利尻岳の存在による気流の変化によるものだと思われるが、何とも不思議な感じだった。このページで紹介した右側(東側)に大きく雲の尾を引く利尻岳を見て頂ければ、その様子がお判り頂けると思う。(この日、利尻岳に登った登山者の話では、山頂近くは視界も利かず、もの凄い強風だったそうだ。)

 沓川からは隣の島、礼文島も良く見えた。せっかくここまで来たのだから、本当は礼文島まで足を運びたかったのだが、前後の日程の関係で叶わなかった。いつか、じっくりと訪れてみたい場所の一つだ。

 2時間ほどかけて島を一周して鴛泊に戻ってきた。鴛泊はやはり雲っていた。ひょっとして、オタトマリ沼はもう晴れているかもしれないと思い、まだ時間もあるし、もう1回オタトマリ沼に行ってみることにした。どうしても、沼に映し出される利尻岳が見たかったのだ。再び訪れた時、僕の期待とは裏腹に先ほど来た時と同じ状況で、僕の期待は見事に裏切られてしまったのである。こんなことで、結局は島を2周もしてしまったのだ。お陰でこの島の気象の特徴が良くわかった次第である。(爆)

 鴛泊に舞い戻った僕は、まだ30分ほど時間があったので、明日登る予定の登山口の様子を見に行くことにした。登山口は鴛泊から4kmほど奥の利尻北麓野営場という場所にある。ここまでの公共交通機関は無く、タクシーや自家用車で入るか、あるいは1時間以上かけて歩くかしかない。聞けば、この島のタクシーは朝7時にならないと営業を開始しないそうで、登山者にとってはまったく当てにならない取り決めに少々ガッカリした。

 タクシーが使えないので、最悪、鴛泊から歩く覚悟をした。海抜ゼロメートルから1719メートルの山頂までを一日で登り降りするのは、はっきり言ってかなりハードな登山である。登り切る自信もないが、まあ、いけるところまで行ってみることにする。

 レンタカーを返却し、5時過ぎに宿に入った。宿の主人に明日の登山を告げると、何時でもかまわないから登山口まで送ってくれるとのこと。助かった〜。僕は4時に送ってくれるよう、丁重にお願いした。

 それにしても利尻も寒い。昼間の気温は14℃位だった。この気温で1719mの利尻岳山頂の気温を計算すると、14−1719/100x0.6=3.6℃となる。防寒具や食料などを再点検し、荷物のパッキングを終える。

 さて、明日は3時半起床で、4時出発だ。お酒をガバッと飲んで、21時過ぎには早くも床についた。
利尻島の鴛泊港へ入港 *
姫沼
利尻島郷土資料館 *
オタトマリ沼 *
仙法志御崎公園よりの利尻岳 *
仙法志御崎公園よりの利尻岳
人面岩付近の海岸 *
沓形岬からの利尻岳 *
利尻島から望む礼文島
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