北海道の旅(道中記) | 2002年9月28日更新 | ||
8月13日(第13日目) | |||
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備考) *マークの画像はデジタルカメラで撮影したものであることを表します。 | |||
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4時30分に起きた。それにしても旅行に出てからすっかり早起きになってしまった。昨夜は随分と雨が降ったようだった。朝には雨も上がってはいたが、空にはどんよりと低い雲が立ち込めている。今回の旅もいよいよ今日で最後だ。5時に道の駅を後にする。 余市から真っ直ぐに積丹岬へ向かう。朝のうちに積丹半島を一周することにしたのだ。6時には岬へ到着した。誰もいない。当たり前だ。一人、岬への薄暗いトンネルをくぐって表海岸へ出る。近くの海では漁師が小舟でウニ漁をしていた。直ぐ下の海を見ると透き通っている。確かに綺麗な海だ。青空の下だったらさぞや綺麗な景色なんだろう。 次に神威(カムイ)岬へと車を走らせる。岬への入口にはゲートがあり封鎖されていた。見れば7時に開門とある。待つにはまだ時間があるので、残念だがあきらめよう。半島の店は何処もまだ開いていない。朝食にウニ丼でも食べようと考えていたのだが、これではどうしようもない。 神恵内村の海岸近くでウニ漁をする漁師がいたので、その様子を少し眺めることにした。海中を覗きながら長い柄の網を使って器用にウニを採っていた。同時に片足で船のオールを動かして、船の位置を調整している。上手に操るものだと感心してしまう。1回の網で20ヶ位のウニが採れているのが見えた。海中にはさぞや沢山のウニがいるんだろう。この光景を見ていたら、無性にウニ丼が食べたくなってしまった。(爆) 積丹半島を周り、岩内の町に入る。8時丁度だった。市場に行けばウニ丼にありつけるかもしれないと思い、ひたすら市場を探す。この頃、僕の頭の中はウニ丼で一杯だったのだ。(爆) 「道の駅いわない」の敷地内でウニ丼のお店を発見する。朝早いが開いているようだ。ついに願いが叶うのだ。僕は大奮発して2200円のウニ丼とその場で開いてくれたホタテの刺身を食べた。メチャクチャうまかったことは言うまでもない。記念に自分が食べたホタテの貝殻も頂いた。 岩内からニセコパノラマラインを上り、五色温泉に向かう、あいにくの曇り空で展望は利かない。まったく残念だ。途中、前方の道路上に犬らしき動物がいるのを確認する。スピードを落として近づくと、それはやせ細ったキタキツネだった。野生のキタキツネを見たのはこの時が初めてだったので、凄く嬉しかった。よく見ると、口に何かくわえているではないか。野ネズミでもくわえているのかと思ったが、それは誰かが捨てた缶コーヒーの空き缶だった。その姿を見て僕は急に悲しくなってしまった。人間と動物があまりにも不調和なのだ。 これ以上近づけばきっと逃げ出すだろうと思っていたが、僕の予想に反して、キタキツネは僕の車に歩み寄ってきた。明らかに物乞いをしている表情だ。ここでも野生動物が観光客に餌付けされてしまっているらしい。複雑な気持ちになる。見るからにやせ細っていて、可哀相に見えたが、僕はあえて食べ物はあげなかった。カメラにその姿だけを記録し、キタキツネに別れを告げる。 8時40分に五色温泉に到着した。辺りは一面霧に包まれており、景色も望めないので、温泉に入ることにした。500円の入浴料を払って、最後であろう北海道の湯を楽しんだ。晴れていれば綺麗な景観の所らしいが、今日の天気では期待できない。山で遊ぶのをあきらめて、倶知安町へ降りる。 その後、羊蹄山の麓にある「羊蹄ふきだし湧水」に寄ってみた。名水百選にも選ばれている場所らしい。結構な人で賑わっており、多くの人がポリタン片手に湧水を汲みに来ていた。(無料) その後、支笏湖と洞爺湖を廻ろうと思ったが、時間的に厳しそうなので、支笏湖を訪れることはあきらめ、洞爺湖に向かう。洞爺湖は曇り空だったこともあり、あまり印象的ではなかった。ここを素通りし、昭和新山に向かう。 昭和新山は道路から目と鼻の先にあった。こんな至近距離にあるとは想像もしていなかったので、ちょっとビックリした。それにしても、ある日突然、平地があのように隆起したなんて、いまいち実感がわいてこない。ともかく不思議な光景だった。 ここには有珠山へのロープウェイもあるが、ガスっているので上るのはあきらめる。その代わり、近くのクマ牧場に入ってみた。この中に「人間のオリ」というのがある。人間のほうがオリの中というシチュエーションで、クマが間近に見られるのだ。オリの上から遠巻きに眺めていると、クマもそれほど大きく感じないが、至近距離で見るクマは、圧倒される大きさだった。特にクマの顔はバカでかかった。腕の太さも僕の太股より太かった。あんなのに山で出会ったらひとたまりもないだろう。 洞爺湖からオロフレ峠を越えて、登別温泉に出た。峠への途中で、またもやキタキツネに出会う。車を停めるとやはり近づいてくる。びしょ濡れで可哀相な感じだったが、野生動物なので目だけは鋭かった。その姿をカメラにおさめ、登別に向かう。 登別温泉でも雨が降りしきっていた。景色を楽しむのはあきらめ、その代わり、今日2回目の温泉に入る。日帰り入浴可を表示する大きなホテルを探し、ちと高い千円の入浴料を払って、登別温泉を楽しむ。ここは、明ばん泉、食塩泉など様々な泉質の温泉が楽しめる、日本を代表する温泉の一つだ。30分ほど湯に浸かったお陰で、何となく旅の疲れも癒えた感じがした。 19時15分発のフェリーで北海道を後にする予定なので、少し余裕をみて15時ちょうどに登別温泉を後にする。途中で早めの腹ごしらえをし、17時にフェリー乗り場に到着した。乗船手続きを済ませ、出航まで近くをブラブラするが、特に何もなかった。 19時25分、定刻より10分遅れで室蘭港を出航する。これで北海道ともお別れだ。ほんとうに楽しい12日間だった。遠くなりゆく北海道を見ると、きっと物悲しくなってしまうだろうから、僕はあえてフェリーのデッキには立たなかった。さようなら、北海道。 |
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