Vol. No. 20 2005.01.15 upload
デシベルってなあに?
■はじめに
 普段の暮らしで、「デシベル」なんていう言葉、あまり使いませんよね。でも、一度や二度は耳にしたことがある人も多いと思います。どういう意味で何に使うのか、簡単に説明します。

■デシベルって?
 皆さんの家にある音楽を聴くオーディオ・コンポを思い浮かべて下さい。若い人なら誰も知っているでしょうが、カタログを見ると、音声出力10Wとか50Wとか表示されていると思います。その名の通り、スピーカから発せられる音の大きさを表しています。家庭のオーディオではまずあり得ませんが、この大きさが10000(1万)Wとか100000(10万)Wとか大きな単位を扱う場合、数値の桁数が増えますので大変面倒になります。そこで考えられたのがデシベル(dB)という単位で、次のように対数の比で表します。

  1W = 10 x LOG (1W/1W) = 10 x 0 = 0dB
  10W = 10 x LOG (10W/1W) = 10 x 1 = 10dB
  100W = 10 x LOG (100W/1W) = 10 x 2 = 20dB
  1000W = 10 x LOG (1000W/1W) = 10 x 3 = 30dB
  10000W = 10 x LOG (10000W/1W) = 10 x 4 = 40dB
  100000W = 10 x LOG (100000W/1W) = 10 x 5 = 50dB

 上の例でお判りのように、1W=0dBというのが基準になり、あとは10倍、100倍、1000倍、10000倍、100000倍になるに従って10dBずつ増えていきます。1Wが10万W、即ち10万倍になっても、50dBという2桁の数値だけで表すことができます。(上記は単にdBと書いていますが、正確にはdBWと表示します。)

 説明が後先になってしまいましたが、デシベルはdBという2文字の記号で表します。dは小文字、Bは大文字で表すのが決まりです。

■電圧、電流のデシベルは?
 前述しましたように、デシベルは電力比を表すものですが、電圧や電流を表す場合は、抵抗(インピーダンス)が一定という仮定の基で、次のように表すことができます。(電圧の例で示します。)

 1V = 20 x LOG (1V/1V) = 20 x 0 = 0dB
  10V = 20 x LOG (10V/1V) = 20 x 1 = 20dB
  100V = 20 x LOG (100V/1V) = 20 x 2 = 40dB
  1000V = 20 x LOG (1000V/1V) = 20 x 3 = 60dB
  10000V = 20 x LOG (10000V/1V) = 20 x 4 = 80dB
  100000V = 20 x LOG (100000V/1V) = 20 x 5 = 100dB

 上記のdBは正確にはdBVと表示します。

■基準を示す必要は?
 上記以外にも、様々な分野で色々な単位がデシベルで表されています。デシベルはある値を0dBとした時の相対的な値ですので、あまり用いられていないような値をデシベルで表す時は、基準になっている値を明確にする必要があります。上の電圧の例でいうと、1Vを0dBとする、といった具合に基準を明確にします。

■デシベル値で掛け算はできる?
 結論から言うと、デシベル値の掛け算はできません。例えば、100W(=20dBW)のオーディオアンプを2台接続したとします。この2つの合成出力は幾つになるでしょう。100W x 100W = 10,000Wになります。デシベルで計算する場合は、20dBW + 20dBW = 40dBWです。間違っても、20dBW x 20dBw = 400dBwなどとデシベル値の掛け算はしないように気を付けましょう。40dBWをワット(W)の単位での値に戻すには次のように計算します。
 40dBW = 10(40/10) W = 104 W = 10,000W
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