ミタカ電機製のST管使用の5球スーパーで、ブランド名はアリアラジオ(Aria
Radio)です。正確な製造年月は確認できていませんが、使用している真空管と回路構成から推測すると、1940年代後期か、1950年代初頭に製造されたものだと思います。この手のラジオで、中間周波増幅用にシャープカットオフの高周波用5極管(6C6)を使っているのは希です。一般には6D6が多く使われています。
実はこのラジオは7000円弱で入手したのですが、オーバーホール中に、不覚にもこの6C6のトップグリッドを回転させてしまって、真空管の中に空気を入れてしまいました。この状態ではもはや動作するはずもなく、仕方なく秋葉原を巡って1本3000円の未使用管を入手し、何とか修復することができました。
ラジオのケースは木製で出来ています。入手した時は傷みが激しかったので、焦げ茶色のオリジナル・ペイントをすべて剥がし、パテで修復した後、素材の木目を活かすべく、ニス等で再処理をしました。見た目の雰囲気はちょっと変わりましたが、回路のほうは極めて快調です。当初、ボリュームにガリがあったものの、こちらは接点復活剤を注入してみたところ、バッチリなおりました。
木製箱に入っていることもあってか、僕のコレクションの中でもとりわけまろやかな音を奏でてくれています。また、マジックアイが発する緑色の光もなかなか神秘的で、とても50年も前のものとは思えない位です。
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モデル 55-P 前面 |
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モデル 55-P 背面 |
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モデル 55-P 銘板 |
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■主な仕様 |
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型式 |
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ST管5球スーパーヘテロダイン |
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製造者 |
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ミタカ電機株式会社 |
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受信周波数 |
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535〜1700 kc/c |
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使用真空管 |
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6WC5(周波数変換)、6C6(中間周波増幅)、6Z-DH3A(検波&低周波増幅)
6Z-P1(電力増幅)、12F(整流)、6E5(マジックアイ) |
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電源 |
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85〜100 V AC, 50/60 c/s |
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サイズ |
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幅 48cm x 高さ 23cm x 奥行 19cm |
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モデル 55-P 心臓部 |
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モデル 55-P マジック・アイ(6E5) |
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