今回ご紹介するのは真空管ラジオではありません。業務用の電界強度計で、その名が示す通り、電波の強さを正確に測定する為の受信機です。安立電気株式会社(現:アンリツ)製のM-321というモデルで、1975年に製造されたものです。放送局の音楽などを聴くことが目的ではありませんので、スピーカなどは装備されていませんが、クリスタルイヤホーンでAM/FMの復調(音を聴くこと)ができるようになっています。
内部を見ての第一印象は、「昔の方は良い仕事をしている」ということです。各部品が整然と並べられ、細部に至るまでしっかりと造り上げられています。電磁シールドも完全です。また、同調部の連結ギア群の巧みなメカニズムにも驚かされます。本機を入手した時は取扱説明書が無かったのですが、その後、インターネット上のオークションで取扱説明書の原本を見つけ、入手することができました。取扱説明書は懐かしい青焼き(といっても若い人は判らないかな?)で作成されていました。
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■主な仕様 |
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型式 |
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Anritsu Field Strength Meter M-321C |
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製造者 |
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安立電気株式会社 |
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受信周波数 |
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25 MHz - 230 MHz |
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検波器 |
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平均値検波(オプション装着で準尖頭値検波が可能) |
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通過帯域幅 |
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80 kHz±10% (-6dB) |
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入力インピーダンス |
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50Ω BNC形コネクタ |
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測定精度 |
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±2 dB |
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モニタ回路 |
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A2、A3、F8の復調が可能 |
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電源 |
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100 V AC および乾電池(UM-3x16ヶ、12V)
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寸法、重量 |
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幅 320mm x 高さ 215mm x 奥行 164mm、8.5 kg |
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